2019-07-09 22:51 | カテゴリ:同居人の事
元のキャラを消すなりなんなりしなかったので、
騎士は消えなかったが、
魂が抜けたように、おとなしくなった。

「なんでだろう・・・あの石・・・恐ろしいものが宿っていて、僕はあれに乗っ取られた感がしたんだよね・・・でも、依り代を変えてから、楽になった」

騎士が言っていた意味はわからないが、
騎士の表情は、以前と違って、とても穏やかだった。

そして僕は・・・

最近の異常気象とか復讐の代償のせいで、
体調がすこぶる良くなくて、ぶっちゃけ萎えている。

「僕はわからなかったよ。霧丸が何がしたかったのかが。
ギターが上手くなりたい、アニオタになりたくないなら、飯や寝る時間を削ったり、
仕事辞めたりして練習したら上手くなれるのに、
なんでやらないのって」

「それは・・・今は仕事は辞められない。一人で生きていくためにも・・・」

騎士は理解できなかったようだ。
僕、霧丸が本格的に音楽を志していたのか、

騎士が相方に抱いたような、
(騎士は自分の居場所を奪った相方を、僕はギター含めた趣味の音楽で散々迷惑をかけた)親父を超えたかったのか、

それともただの道楽だったのか・・・

ギターが上手くなりたいって言っても、
どの程度なのかがわからなかったらしい。

趣味がアニメじゃなくてアクティブ系の音楽だから偉いのか?

うーーん・・・そうではない。


親父こそ趣味が音楽で、
僕の本当の名前も、実はとあるアーティストに由来するものの当て字的なものだと言われているけど、
親父はギターの師匠でもあるけど、音楽で家族に多大なる迷惑をかけたバカだ。

ぶっちゃけ親父がいなかったら、ギターをやりたいなんて思わなかっただろうし、
バンドリとかの影響で始めていたとしても今頃は、Fの壁にでも当たって、誰にも相談できず挫折していたか、
はたまたアンプを古いワンルームで鳴らして追い出されていたかもしれない。

あるいは、それこそただのアニオタ堕ちしていたか。

そう思うと、親父あってこそのギターと言える。

「あとそれと、長女はあのアニメ以外は興味ないし、霧丸も昔からあのアニメだけが好きってだけでしょ?
で、あのアニメ以外は興味がないから、こうして他の趣味を探してるんでしょ?

だったら、それはただの好き嫌いであって、
アニオタとは言えないんじゃないかな?」

騎士が言うアニオタというのは、
どうやら、いろんなアニメを見るのが好きという印象らしい。
たった一つの作品や声優を愛しているのは、ファンといって、また違う存在と言っていた。

「確かにあの作品だけを通年見ているというのは固着しすぎていると思うから、流石に周囲も注意するだろうけど、
通年もの抜きでアニメとドラマ2〜3作程度だったら問題ないんじゃないかな?

あと、テレビ見ながらギター練習するのもアリだと思う。
ギリギリしていたら、逆に疲れちゃうもん。
僕は夕方は実家の母親と一緒に日テレのニュース番組(every.ですね。わかります)みながら練習してたなー」

まぁ、最近はあまりにも合わないものはアニメもドラマも容赦なくカットしている。
合わないものでも知識がどうこういう人はいるだろうけど、
だったらリアタイでやっているバラエティ番組やラヂヲをBGMにして練習した方が、まだマシな気がする。

(ただし、特性上、Mステのような音楽番組は最近は見たら切らないようにしているが・・・)

「霧丸は、どんな風にギターを弾けるようになりたいの?」

騎士が聞いてきた。

ああそうだ。

僕は、腐●子とか言われるのが嫌だったんだ。

以前の職場のアニオタに言われたのが、

「え?●期物のアニメ見ないであのアニメとか通年ものだけ見てるの!?
アレってみんな同じ顔で何がいいのかわからないんだけどw」

って言われたことがあって、
僕の中ではそれっておかしいことだって思っていた。

でも、現実はそうではなかった。

それもそうだ。
僕は、その作品のファンであって、
アニメオタクじゃないんだから。

「あのアニメが好き→アニオタかと見せかけておいて、
ギター持つと別人的な感じになるというか・・・

昔のあのアニメのギャグの中で、
『時折見せる、鬱系でもファッションでもない、ほんとうの闇属性感』が好き。
まぁ今はご時世柄もあって、あまり濃い闇は見せられないだろうけど・・・

アニメが好きとか最近の煽りで興味持った腐●子だとか思われたくないし、
そんなつらじゃなかったのにっていう意外な一面が欲しかった。
でも、迷惑かけちゃダメだよね。それじゃあアニオタになるより最悪だわな。
以前であった害悪アニオタや、どっかの騒音親父と同じだわー」

僕は、ふっと笑って、
休憩と言って外に出た時に運命的に出会った中古の俗に「ぞーさん」と言われているミニギター(普通の大きさのと合わせて2本目のギター、しかもこのぞーさん、僕が中学時代好きだった某バトルアニメとのコラボデザインで、値段もお手頃だけどジャンク品じゃなくて十分なものだった)を抱いて笑った。

あの時出かけなかったら、
こいつにも出会わなかったし、
騎士が改心しなかったのかもしれない。

きっとこのギターは、その証なのかもしれないね。


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