2019-03-18 15:59 | カテゴリ:同居人の事
それは、情報を得ればわりと簡単にできた。

ふじさわ島の隠し階段を下った奥深く、
地下とは思えんほど広く、明るい場所・・・

その閉ざされた密室に、奴はいた。


癖の強い長い黒髪、ポニーテール、
白い大きなシャツをだらしなく着て、
ジト目でじっと、僕を見ている。

「あんた、誰?」

意外にも、その見た目は外の「ふじさわ」とは違って、
中性的ないでたちの幼い少年だった。

12〜14歳といったところだろうか?

「僕は藤沢霧丸」

「僕と同じ名前・・・」

「僕はお前だもん」




「で、何しにきたの?瑠璃を殺そうとしたのは僕だけど、悪いのは瑠璃の方じゃん。
瑠璃がヒロアカなんて欲しがるから悪いの。
せっかく僕は誰にも邪魔されずに大好きな忍たま乱太郎に囲まれて暮らせると思ったのに・・・

だから排除するの。忍たま乱太郎以外は、全部」


ここで
「瑠璃だって好きなものがあるんだから」
「大人になったら忍たま乱太郎だけじゃ生きていけない」
「あなただって忍たま乱太郎が好きだからって同じことされたらどうなの?」
と、説教しても無駄である。

「お金の無駄」だとか、
「何度もされたからもう慣れた」とかいう答えが返ってくるだけだ。



コメント欄にあった、
秋葉原の通り魔事件について調べてみる。
あの事件も、毒親が原因だというのは・・・

参考:加藤智大の生い立ち【秋葉原通り魔事件】 - NAVER まとめ
   https://matome.naver.jp/odai/2137473015179980301

僕の家もそうだった。
両親が気に入らない作品のグッズは全て処分され、
話さえ禁止された。

親はポケモンが嫌いだった。



持っていた漫画は全部ブックオフに売られた。

母親は忍たまの山田利吉が好きだったから、
忍たまは許されていたが、
親が嫌いなポケモンが流行っていた学校では、
忍たまはつまらないものとして扱われ、
僕はアウトウェイだった。


「辛かったな・・・せっかく集めた漫画を捨てられて・・・」

「せっかく忍たまたくさんになったのに、
霧丸が瑠璃と一緒にヒロアカに夢中になって、
この家がヒロアカ屋敷になったりするんじゃないかって不安になる」

だから彼は、彼にとって気に入らない物であるヒロアカを拒絶するようになったのだろうか。

「それはないよ。僕だって忍たまは大好きだし、僕もヒロアカって何がいいのかわからない」

「ホント?霧丸、嘘つかない?」

「でも、それ瑠璃の前で言っちゃダメだよ?瑠璃君傷ついちゃうから・・・僕の前だったら色々言ってもいいからな」

「なんで霧丸は、自分が読まないのにヒロアカ集めてるの?側から見れば霧丸、変な人だよ」

「瑠璃だって生きてるんだよ。だからヒロアカは、ただ瑠璃のために置いてあるだけ。他人の漫画を置いているだけ」

「あんま度が過ぎてると、解離性人格障害だ!とかってなりかねないよ」

「タルパーという、他人と同居するって道を選んだ以上は仕方ないwww」

「僕も名前が欲しい。あと外に出たい。この鎖切って・・・」

僕は、足元の鎖を切った。

「わかった。お前の名前は『幻影(ブログ上の呼び名)』だ」

「まんまじゃん・・・」

そして僕は彼にあるものを渡した。
アクアオーラ・・・僕が唯一、自分の意思で愛した石だ。


「彼の方は、まだ・・・」

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