雅・・・なんでおまえが・・・

相方と同じ要領で、ネトゲキャラから派生した思念体の雅がいた。


雅は相変わらずで、マイペースなやつだ。
くせ毛の黒髪をポニーテールにしてるところも、
男か女かわからないような細い線。

でも、これで一応男で、聖騎士だ・・・

「何を歌っているんだ?」

「EXILEのHeart OF GOLD」

その曲は知っていたけど・・・どうしろと・・・


「聞いてみればわかる」

検索して聞いてみる。



「で・・・お前まで瑠璃にヒロアカを買ってあげて!とでもいうの?つーかなんでお前なんでここにいる」

「瑠璃が呼んだ」

あの野郎・・・

「別に僕は無理に僕のヒーローアカデミア・・・だっけ?を買ってやれと言いたいわけじゃない。
経済的な理由とかがあるなら、無理に買う必要はないと思う」

「だったらいいじゃん」

「でも、自分が忍たま乱太郎だっけ?しか興味がないから瑠璃が好きな他の作品まで否定しちゃうのはどうかって思うんだ。別に今はこんなものって思うかもしれないけど、いつかあってよかったって思うこともあるかも」

「いや、それはない。本当にこういうの興味ないしマジで金が無駄」

「じゃあなんで霧丸は思念体生活してるの?
一人で忍たまを楽しみたいならツイッターで忍たまオタクと絡んでればいいじゃん。

瑠璃君だって生きてるの!
独立した魂を持ってるの!
自分の意思を持って、自分が好きなものと嫌いなものだってしっかりあるの!

瑠璃君は霧丸の人形じゃない。
勿論、霧丸だって親の人形じゃない。

そこはきちんとわかって欲しい」

思念体にも好き嫌いが出てくる・・・か・・・
それはわかってる。でもね、正直言うね。

「俺は、ああいうの嫌いなんだ。くだらない。本当にお金の無駄」

「それは霧丸の感情でしょ?」

「そうだよ。何が悪いの。
瑠璃には俺からいって説得させる。
雅は何も言わないでいいから」

僕は瑠璃がいそうな場所を探す。


瑠璃はいた。

藤沢島の、団地の屋上の、
屋上緑地に。

夜なのに日傘をさし、
空を見上げて何かをつぶやいている。

瑠璃の服のポケットから何かが出ている。
ちびキャラの七松小平太
他忍たま六年生。

なんでこんなものを瑠璃が・・・

「霧丸さん、いらっしゃったのですか?」

「いちゃ悪いかよ」

「言いたいことは大体わかります。『ヒロアカは俺には合わないから・・・』でしょう?
まぁそれならそれで仕方ありませんが、あんまり忍たま以外拒絶してるのはオススメできませんね・・・」

・・・こいつ、わかってるのか。

「これじゃあ再放送期間になったら、また鬱になりますよ・・・霧丸さん、忍たまの再放送中は憂鬱なことが多いですし…
まぁ、5月に忍ミュもありますからね・・・私もタイミングを間違えたようです」

瑠璃がそそっかしく笑った。

「わかった。再放送期間になったら、気が変わるかもしれん。
拒絶はダメだし・・・その時は・・・うん。

そのための保険の存在を今から作っておくのも…悪くはないな」

あくまで鬱になりがちな再放送(甲子園で休止中)の保険を作る。
それもまた有りかもしれない。
Secret