2019-01-14 09:42 | カテゴリ:同居人の事
僕が苦手な厨房の仕事を覚えなきゃならない。
でも、僕はそれが嫌だ。
厨房にはトラウマがあるし、
僕がうまくできる訳がない。

どうせ怒られて、足引っ張って、
センスがない、見っともないものを作って終わりだ。

「やってみないとわからない」
なんて人は容易く言うけど、僕にはそれができない。

無様な姿を晒すなら、最初からしない方がいいから。

でも、逃げたいと思っても、
厨房が誰もいなかったり、
自分が余計なことを言ったがばっかに厨房をやってみようとか言われたり・・・

「藤沢は長い時間入ってるんだから出来るようになれればいいのに・・・」

経験者として元いた部署に入って「スマホゲーでいうガチャの最も一番上のグレードの子」扱いでいて、
そこだけでのほほんと過ごしていた日々から一転。

「卍最強卍」というの皮が剥がれてゆく。

もういやだ、もういやだ。

傷つくのはもう。



「もうどうでもいい。やる気がないって思われても、自分はここにくればまた卍最強卍で居られる」

目を瞑ってやり過ごした。

なのに・・・


そうか・・・

お前がそう言うやつだったからね・・・


「そのポジションしかできないけど、藤沢はそこをとても大事にしている、先輩思いのいい子」


という、自分のアイデンティティを、


『試練』という名の名目で、

「瑠璃」に破壊される。


「この困難も、きっと試練なのかもしれませんね」

瑠璃の野郎の笑顔がちらつく。


何が試練だ!
人が苦しんでるのがそんな面白いか?


逃げれば逃げるほど、逃げられない状況になる。

それでも逃げれば、

「こんな時まで逃げるアイツは何考えてるんだ」

と、非難の目で見られる。


何で俺だけこんな惨めな思いしなきゃならねぇんだよ!!

いいや、逃げよう。


いや、大元を断つか。



結果的に、

瑠璃に非道の限りを尽くしてしまった。


なのに生きている。

瑠璃は……涙を流しながら……


そんな情けない妄想をしてしまった。

瑠璃を痛めつける妄想。
決して実行してはいけない。

なのに…

「そんな妄想するなんて…お前…タルパー向いてないよ。


だから俺はイマフレ止まりでいたかったんだよ」

相方が、冷めた目で僕を見下ろした。

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