自分で言うのもアレで大袈裟だけど、
藤沢霧丸は現実世界では『街の勇者』だった。

とある一定の場所では勇者になれるけど、
外に出れば凡人かそれ以下。
それが僕だった。


藤沢霧丸は元のポジションの仕事については適応があったから、
なんだかんだで伸びた。
難しくて、技術がいるポジションの中で即戦力になれたし、

「藤沢はすごいなぁ・・・自分はこのポジション苦手だから羨ましい・・・」

と、自分で言うのもなんだけど、初っ端からそれなりにチヤホヤされていた。


自分はここなら誰にでも負けない。
強気でいられる。

それが藤沢霧丸の当たり前で、強み。
言い換えれば、アイデンティティといったところか。

でも、それが、
外に出る事でなくなってしまう。

今まで築いてきた全てが無効化される。

自分の居場所、自分の存在意義、自分の特技。


自分って一体何?


そんな時思うことがある。

「余計なことをいって外に出ようとしたから、こうなった。自分は余計な事をしている。
黙って街の勇者でいれば、傷つくこともなかったのに」

なんで自分はこんな余計なことに首を突っ込む羽目になったんだろう・・・



無断欠勤奴を追い出したかった。

オタクはこんなんじゃないって思わせたかった。

これだからアニオタは・・・って言われたくなかった。


ーーーじゃあ自分はなんのアニメが好きなの?

結局のところ、黒幕はこれだ。


『忍たま乱太郎』


忍たまのせいで、自分は余計なことに首を突っ込む羽目になった。
こんなもののために自分が勇者じゃなくなったのが辛い辛い辛い辛い辛い辛い
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い


おい藤沢霧丸!!

どうしてお前は忍たま乱太郎なんてクソみたいなもの好きになった?

自分に似てるからか?

いろんな異端の勇者を褒めているからか?
異端の勇者の自分自身を褒めているからか?


お前は余計なんだ!!

悔やむなら、余計なことに首を突っ込んだ自分自身を恨みな。

こんなくだらない物を好きになって、
復讐なんて言い出したお前なんて死ね!!!!!!!


鉄パイプや椅子でなんども殴った。

死ね!!お前なんて生まれてこなければよかった!!

余計な事をするな!!

忍たま乱太郎はオワコンなんだよ!!

なんども斬りつけた。

なんども壊した。


何度も、何度も、何度も・・・


向いてない。

逃げたい。

でも、逃げられない。

無理だ。

僕をこのまま、街の勇者のままでいさせて・・・

お願い、もう、これ以上向いてないことに首を突っ込んで傷ついて、
自分自身を傷つけたくない。

そもそも、街の勇者だった部署も、
ある大きな問題を抱えている。
だったらそれの解決に徹すればいいじゃん・・・

「藤沢は先輩を労わる優しい人」

それでいいじゃん・・・

なんで・・・




お前が「同じアニオタ(忍たま乱太郎信者)としてあいつを許せない」なんていったせいだ!!!!


お前なんて死んじゃえ!!!!


世の中、才能が全てなんだから・・・

才能がない奴は弾かれて当然。
そう、自分は自分の部署で引きこもっていたけど、才能だけでここまできた。
それを活かせればいいだけ。

もしそれではダメなら、他所にいくさ。
自分の才能を活かせる場所を求めてね・・・

だから、もう撤回しよう。
「自分がただ、あいつが気にくわないから言っただけでした。本当は自分はそいつより仕事できないです」
って、逃げの言葉でも吐いてね。

もしなんなら、無断欠勤でもして、自然抹消を待てばいいだけ。

そして探せばいいだけ。
自分が街の勇者のままでいられる場所を、
何度でも・・・

「死ねええええええ!!」

僕は僕自身を殺そうとした。



逃げよう・・・




楽な方へ・・・


そういって、散々こいつをいたぶって、トドメを刺そうと凶器を振りかざした時だった。

邪魔が入ったのは。
Secret