2018-11-29 00:12 | カテゴリ:三男
僕は三男の頬を思いっきりぶん殴った。
久々だ。暴力なんてもうしない。そう思っていたのに・・・

落ちたメガネが壊れたかもしれない。
それで三男を傷つけてしまったかもしれない。

それでもよかった。

「なんで勝手にお前が死ぬとか馬鹿なことほざいてんだ?」

「でも、霧丸さんは本当に好きなものがわかって、本当の幸せを手に入れたんだから、私はもう必要ないでしょう・・・」

「だったらまだ、私は慰み者かって聞いて噛み付いてきてくれた方がマシだわ。度が超えてるのも困るけど・・・
何度もいうけど、お前はお前、アレはアレ。一緒にするな」

「じゃあなんで私を今まで冷遇したんですか?」

「それは・・・戻ってこれなくなりそうだから・・・・だ。これ以上は聞くな」

「???さっぱり意味がわかりません。霧丸さんは私よりそっちの方が好きなんでしょう?」

「なんでそうすぐに他と比べる・・・お前、本当にめんどくさい」

「だから面倒くさい私は消えれば万事解決でしょう?霧丸さんの望み通り、邪魔な私は黙って死にますから、彼とお幸せにしてください」

三男は無事だったメガネをかけ直してうつむいた。

「解決しない。つーか開き直るな」

「はぁ・・・もういいです。」

「俺が一番嫌いな奴を教えてやる。
それは、自分の欲を満たす目的でタルパを作って、飽きたらポイッて捨てるような奴だ。
だからその・・・オメーが俺の精神世界に別荘作った時は、正直怖かったけど、悪くないと思ったよ。
思念体にも生命があるんだな・・・って思えてよ・・・

つーか、おめー髪伸びたな・・・その天パーがいい感じになってて、可愛いよ」

「霧丸さん・・・」

「それに、ゲームは所詮、ゲームでしかないんだ。
長女と一緒に見ているアニメのとある話に、便利すぎる世界で洗脳されてゆく話があってね・・・

ずっとゲームばっかしていたら、僕は廃人になるだろう。
いつかは外に出ることも、食事をすることも忘れるなんて、ごめんだよ。
そのために、君達が必要だ。

この前引きこもってゲームばっかしてた時、そう痛感したよ。
ゲームが悪いってわけじゃないし、たまにはゲームで過ごす休日も悪くないとは思うけど、
休日の度にこれだったら、どうかなとは思う」


「ふーん。でも幸せならいいんじゃないですか?」

「確かに幸せだろう。でも、それは帰宅後とか、ディナーだけの日や雨の日でもできるわけだから、
晴れてる日は出かけるべきだろうが、先日は曇りだった。

なにせ、金銭的な問題もある。
電車に乗るのも、ものを食べるのもタダではない。だから、毎回出かけたりするのはお金がかかるし、
ましてや今月は次男のサファイアを買ったり、来月の8日には祖父母宅へ行くのもあるから、尚更・・・
だから、休日もメリハリって必要だと思ってる。晴れなら出かけるし、曇りや雨なら静かにしている・・・
まぁ今回無駄な課金した俺は馬鹿だとは思ってるけど・・・」

「何が言いたいかはさっぱり理解できませんでしたが、つまり霧丸さんは、ゲームをしていても幸せではないってことですか?」

「ずっとゲームで休日を過ごしたら、また何も変わらないってこと。
家にこもってたら、また電車に乗れなくなったりすることもあるだろう。
かといって一人で出かけるのは悲しい・・・

幸せのさじ加減って、難しいんだよ。
ある成分が多すぎたら、それはただの依存だし、
少なければ逆に、不幸になるから」


「霧丸さんの言ってることは私には理解できませんが・・・
霧丸さんはつまり、好きなゲームにハマっていることだけは真の幸福ではないと言いたいのですか?」

「まぁ、そうだな。おめーら作った意味ないし、俺も後悔したくないし・・・」

「ふーん・・・まぁ、霧丸さんが私を必要としているなら、生きててあげないこともないんこともないですよ」

「素直じゃない子」

「霧丸さんに言われたくないです」

「あ?なんだと?」

「霧丸さんこそ素直じゃないくせに・・・」



三男が生きててくれてよかった。
そして主が始めて笑った気がするのは気のせいか

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