2018-10-30 02:59 | カテゴリ:三男
「霧丸さんが自分の元いたポジションを捨てようとしていたので、逃げられないように常連のお客様をたくさん連れてきました♪」

僕が嫌だったポジションに限って起こる超常現象。



依代は家に置いてきたはずなのに三男を感じた今日この頃。

「あ、藤沢さんだ♪」

お客さんの一人が言った。

もう逃げられない。

僕は待合席で呑気に珈琲を飲んでいる三男様を憎んだ。

「嫌なら逃げればいいじゃないですか?劣等感の象徴である忍たま乱太郎でも理由にして大声でも出せばいいんじゃないですか?」

その時見た三男の目は、人を怖がらせる妖怪そのものだった。


「私は散々、他にドラマやアニメを見ましょうよって言いました。それでもあなたは特定のもの以外は拒絶しました。
そのツケが回ってきたんですよ」

三男が笑った。

「霧丸さんが忍たま乱太郎が大好きなことや色々覚えたいって思う気持ちはわかります。
でも、忍たま乱太郎しか観なかったら、考え方まで忍たま乱太郎しか知らないようになっちゃうんです。
一年は組が本当にどうしようもない子たちの集まりって霧丸さんは見下していますけど、私にはそうには思えません。
霧丸さんは自分自身や自分が好きな忍たましか見なかった事のツケが回ってきたんです。
だから、人間が旅行を好むように、霧丸さんもちょっと他の世界を垣間見たほうがいいと思います」

といって、僕の西瓜で買った、JR東限定のメロンアイスのジュースを飲ませてくれた三男様。
JR東限定のフォンダンショコラの飲み物もあったけど、三男様はこれでは自分の好みだと思って、避けたらしい。
そんなわけでジュースを渡された僕。
普段は、こんなの、甘いのに!って思ったのに、なぜか一気飲みしてしまった。

甘い。でも子供の頃に売店でアイスを買って食べた時のように染み入るように美味しい。



不思議だ。


どうして、こんなに、ゆったりした気持ちになれるんだ。


・・・・


「藤沢家は、霧丸さんも次男さんも怖いです。
でも、人は完璧じゃないから妖怪の私は面白いって思っています。

霧丸さんのやる気をここまで引きださせた原因は何かとかいって、
あれほど拒否していた次男さんが忍たまを積極的に見ているなんて珍しいですからね」

三男が笑った。

「そうだ、霧丸さんが知りたいポジションでお客さんたくさん呼びたかったら、人を信じて人を大切にしてください。
だって二ヶ月も無断欠勤してるような奴を許していたら、霧丸さんだけじゃなくて他の人への裏切りにもなります。
普通の人なら、そんな元から態度が悪くて突然来なくなった人を『辛かったね』っていって復帰させると思いますか?
もし許したら私だったら怒りますし、
店長や他の人たちがそれを許すわけないと思います!!

滝夜叉丸さんたちみたいな四年生のように自惚れをするのは良くないですけど、
もうそんな卑下した考えはいい加減捨ててしまいましょうよ!!

元のポジションを粗末にするなら、私は霧丸さんに同じことを返しますから!!

あ、人っていうのは他人だけじゃないですよ。藤沢家のこともですからね!」

三男は強く言った。

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